
自動運転を取り巻く現状と未来
お気付きの方もいるかと思いますが、この記事のタイトルは米国生まれのSF作家、フィリップ・K・ディックの傑作小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?(原題:Do Androids Dream of Electric Sheep?)』を捩ったものです(同小説は「ブレードランナー」という題名で映画化もされています)。
簡単なあらすじとしては、荒廃した近未来の世界で、火星から脱走を果たし賞金首になったアンドロイドを狩るために主人公が奮闘するというアクション活劇なのですが、人間そっくりのアンドロイド達との交流を経て、自分と彼らを隔てる違いとは何なのかと主人公が苦悩していく人間ドラマも描かれています。
現実に照らしてみれば、今や人工知能やロボットの導入はさして珍しい話でもなくなり、店頭での接客やデータ入力などの事務的な仕事は既に人の手を離れつつあります。
そして自動車もまた、この流れの中心にある産業の一つであると言えます。
前方に備え付けられたレーダーやカメラで歩行者や前方の車を察知し、衝突する前に自動的にブレーキを効かせるハイブリッドカーしかり、白線の位置を読み取って車体の位置を修正しながら走る電気自動車しかり。いずれはハンドルが意味を成さない自動車まで登場するとも予想されています。
日本でも政府が主体となって、高齢運転者の交通事故防止対策の一環として、自動ブレーキやペダル踏み間違い時加速抑制装置等を搭載した車(安全運転サポート車)を「セーフティ・サポートカーS(サポカーS)」、自動ブレーキを搭載した車を「セーフティ・サポートカー(サポカー)」と名付け、官民連携で普及啓発に取り組んでいます。
高齢者による運転事故も連日のように紙面を賑わせており、安全装備は自動ブレーキだけでなく、車線逸脱を防ぐ機能や、誤発進を抑制する機能なども含めて標準化される傾向にあります。
車への安全装備の搭載は、自動運転化のほんの序章に過ぎませんが、同時に最も重要なテーマでもあるのです。
今回の記事では、こうした安全装備について、各メーカーが開発した最先端の技術をご紹介させていただきます。
皆さんがマイカーリースをご検討される際に、安全性にも目を向けるきっかけとなれば幸いです。
安全装備にはどんな種類があるの?
安全装備については国によって正式な指標が定められています。
国土交通省と独立行政法人自動車事故対策機構は、衝突が避けられない場合に自動でブレーキをかける技術など自動車の先進安全技術について新たに評価を始めました。
これを「予防安全性能アセスメント」といいます。
評価点は、日本の事故実態を踏まえて死亡・重傷事故を少なく出来る効果に応じて与えられ、その合計が12点を超えると先進安全車プラス(ASV+)として認定されます。さらに46 点を超えると先進安全車ダブルプラス(ASV++)として認定されます。
※サンプルとして、ASV++を達成したホンダのN-BOXを掲載しています。(画像はJNCAP様の公式サイトからお借りしました)
2018年時点で、予防安全性能アセスメントの評価基準とされているのは以下の4つとなります。
具体的な試験の内容も含めてご説明させていただきます。
Ⅰ. 被害軽減ブレーキ ※前方自動車との衝突に対して
試験車を10~60km/h で模擬車両(ターゲット)に後方から接近させ、警報及び被害軽減ブレーキの作動状況を確認します。
試験は、ターゲットが止まった状態での試験と、20km/h で走行している場合の2種類があります。警報またはブレーキの作動により衝突を回避したか、あるいは衝突した場合でも、衝突前にどの程度速度が低下していたかを確認し、それぞれの場合に応じて得点が与えられます。
※正式名称:衝突被害軽減制動制御装置:Autonomous Emergency Braking System(AEBS)
Ⅱ. 被害軽減ブレーキ ※前方歩行者との衝突に対して
道路横断中の歩行者を模擬したターゲットに10~60km/h で試験車を接近させて、警報及び被害軽減ブレーキの作動状況を確認します。
見通しの良い道路を横断する場合と、駐車車両の陰から道路を横断する場合の2種類の交通環境を想定した試験を行います。警報又は被害軽減ブレーキの作動により衝突を回避したか、あるいは衝突した場合でも、衝突前にどの程度速度が低下していたかを確認し、それぞれの場合に応じて得点が与えられます。
※正式名称:衝突被害軽減制動制御装置:Autonomous Emergency Braking System(AEBS)
Ⅲ. 車線逸脱抑制装置※
試験車両を60km/h及び70km/hで道路に引かれた車線からはみ出すように走行させたときに、車線を維持するよう試験車両を制御するか否かを確認します。車線逸脱量が少ない場合に高い得点が与えられ、車線逸脱量が多い場合は得点が低くなります。車線逸脱量が一定量を超えていた場合でも、警報が適切な位置で作動していれば得点が与えられます。
自動でステアリング(ハンドル)操作をしてくれるステアリング(ハンドル)支援機能もこの部類に含まれます。
※正式名称:車線逸脱抑制装置:Lane Departure Prevention System (LDPS)
Ⅳ. 後方視界情報
バック時の視界情報がどれだけ確保されているか、という指標です。
ドライバーのバック時の行動に関する実験データと歩行者の移動等のパターンを組み合わせたシミュレーションにより求めた事故の危険性が高い後方エリアを全てカバーできるよう、視対象物(ポール)を配置します。具体的には、3.5m先の遠方エリアに3本、巻き込みやすい左右の近傍エリアに2本、子供が入り込む可能性のある車両のすぐ後ろとなる近接エリアに3本設置して確認します。
そのほかにも、メーカーによって開発された安全装備にはいくつか種類があります。
以下、代表的な例を記載します。
ACC(アダクティブクルーズコントロール)
「ACC」は、高速道路や自動車専用道路などでアクセルを踏まなくても一定の速度で走行してくれるシステムです。
先行する車がいない場合には設定した一定の速度で走行をしてくれて、前方に車がいる場合は、速度をコントロールしながら一定の距離を保ってくれます。
先行する車が停止すると、自動で停止してくれてアクセルを踏むか、スイッチ操作をすることによって再び自動で走行してくれます。
誤発進抑制機能
前方や後方に誤って急接近してしまった時に、警報と自動ブレーキを作動してくれるシステムです。
主にアクセルとブレーキの踏み間違いによる事故を防ぐことを目的としています。
ヘッドライトサポート(オートマチックハイビーム etc…)
「ヘッドライトサポート」というのは、前方や周囲の明るさから対向車や先行車をカメラが検知して、ハイビームとロービームを自動で切り替えてくれるシステムです。
ほとんどのドライバーは、よほど視界が悪くない限りは通常ロービームのみで走行をしていますが、道交法では先行車や対向車がいない場合は、ハイビームで走行することが基本となっています。
ヘッドライトサポートに限らず、安全装備についてはメーカーごとに呼称が異なるケースがありますが、中心的な機能としては大きく変わることはありません。
メーカーごとの安全装備を徹底比較!
それでは各メーカーごとの安全装備を実際に見ていきましょう。
今回は国産自動車メーカー大手であるスバル・マツダ・トヨタ・ダイハツ・ホンダ・ニッサン・スズキの先進安全技術を比べてみます。
スバル:アイサイトver.3
アイサイト(ver.3)は、ステレオカメラで常に前方を監視し、必要に応じて自動ブレーキなどの制御を行う運転支援システムです。”ver.3″ではステレオカメラを刷新し、視野角と視認距離を約40%拡大することで認識性能を向上。さらにカラー画像化によってブレーキランプの認識も実現しました。これにより従来の運転支援機能を進化させるとともに、ステアリング操作のアシストや誤後進の抑制など、新たな機能も搭載。逆光などの悪環境下での作動安定性も高めています。(公式サイトより抜粋)
プリクラッシュブレーキ
衝突の危険がある場合、ドライバーに注意を喚起。回避操作がない場合はブレーキ制御を行い、自動的に減速または停止。
全車速追従機能付クルーズコントロール
高速道路や自動車専用道路で、0km/h~100km/hの広い車速域で先行車に追従走行。アクセルやブレーキ操作のわずらわしさを軽減し、快適で安全なロングドライブを提供。
アクティブレーンキープ
ロングドライブでのドライバーの負担を大幅に軽減する“はみ出さない技術”です。高速道路や自動車専用道路での走行時、ステレオカメラで走行車線両側の区画線を認識。ステアリング操作のアシストを行い、車線内中央付近の維持や車線逸脱抑制を行う。
AT誤発進抑制制御]&AT誤後進抑制制御
駐車スペースから出る時などの、シフトレバーやペダルの誤操作による急な飛び出しを抑制。「発進」だけでなく「後進」への対応も実現。
警報&お知らせ機能
自車のふらつき(高速走行時・約60km/h以上)や車線逸脱(約40km/h以上)を検知した場合、警報音と警告表示でドライバーに注意を促します。また、先行車の発進に気づかず停止状態のままでいる場合には、音と表示でお知らせ。
マツダ:i-ACTIVSENSE (アイアクティブセンス)
i-ACTIVSENSEは、ミリ波レーダーやカメラなどの検知デバイスを用いたマツダの先進安全技術の総称です。事故が避けづらい状況での衝突回避・被害軽減を図るプリクラッシュセーフティ技術に加え、認知支援を行いドライバーの安全運転をサポートするアクティブセーフティ技術で構成されています。(公式サイトより抜粋)
アクティブセーフティ技術(事故を未然に防止する)
ASF:ドライバーが進みたい方向にヘッドランプのロービームを照射。
HBC:ヘッドランプのハイビーム・ロービームを自動で切り替える夜間走行中のドライバー認知支援機能。
MRCC:先行車との速度差や車間距離を認識し、自動で速度をコントロール。
RVM:高速走行時の後側方接近車両を精度高く検出し、ドライバーへの注意を促す。
LDWS:道路上の車線を感知し、車両が車線を逸脱することを予測してドライバーに警告。
FOW:衝突の危険時に警報を鳴らし、ドライバーの危険回避をサポート。
プリクラッシュセーフティ技術(事故のリスクを軽減)
SCBS&SBS:ブレーキの自動制御で衝突被害を軽減。
AT誤発進制御:アクセルペダルの踏み間違いによる急発進を抑制。
トヨタ:Toyota Safety Sense C (トヨタセーフティセンスC)
トヨタが開発した衝突回避支援パッケージが、Toyota Safety Sense (トヨタセーフティセンス)です。
トヨタセーフティセンスには、単眼カメラとレーダーを組み合わせた、主にコンパクトカー向けの『トヨタセーフティセンス C』。そして単眼カメラとミリ波レーダーを組み合わせたミディアムクラス以上向けの『トヨタセーフティセンス P』の2つが存在しています。
プリクラッシュセーフティシステム(レーザーレーダー+単眼カメラ方式)
2種類のセンサーにより、衝突の危険を知らせるとともにドライバーのブレーキをアシスト、さらに「自動ブレーキ」で衝突の回避や、被害軽減をサポート。
レーンディパーチャーアラート
白線(黄線)を踏み越えそうな場合、ブザーとディスプレイ表示でお知らせ。
オートマチックハイビーム
先行車や対向車のライトを認識し、ヘッドライトの上下の向きを自動で切り替え。
先行車発進告知機能
停車時、先行車が進んだのに止まったままでいるとき、ブザーとディスプレイ表示でお知らせ。
ダイハツ:スマートアシストⅢ
ダイハツの先進テクノロジー「スマートアシスト」では、ソナーセンサーに加え、ドライバーの視界や頭上空間を妨げない、世界最小ステレオカメラ(2016年ダイハツ調べ)を新搭載。
歩行者や先行車、障害物などの様々な情報を的確に捉え、運転者に注意を促したり、緊急ブレーキを作動させます。
衝突警報機能(対車両・対歩行者)/衝突回避支援ブレーキ機能(対車両・対歩行者)
走行中に前方の車両と歩行者を認識し、衝突の危険性があると判断した場合に注意喚起。さらに危険性が高まった場合には緊急ブレーキで減速。衝突の回避や、衝突時の被害軽減に寄与。
車線逸脱警報機能
道路上の車線を認識後、車線から逸脱しそうになると、ドライバーへ警報し、逸脱回避操作を促す。
誤発進抑制制御機能(前方・後方)
約10km/h以下で障害物を認識後、踏み間違い(アクセルペダルを強く踏み込んだ場合)を判定してエンジン出力を抑制し、ブザー音とメーター内表示でお知らせ。
先行車発進お知らせ機能
信号待ちなどで前の車が発進したことに気づかない時、ブザー音とメーター内表示でお知らせ。
オートハイビーム
対向車のヘッドランプなど前方の明るさを検知し、ハイビームとロービームを自動で切り替え。視界の悪い夜道でも安心して運転が可能。
ホンダ:Honda SENINSG (ホンダセンシング)
Honda SENSING(ホンダセンシング)は、ミリ波レーダーと単眼カメラで検知した情報をもとに、安心・快適な運転や事故回避を支援する、先進の安全運転支援システムです。
衝突軽減ブレーキ〈CMBS〉
ミリ波レーダーと単眼カメラで前走車や歩行者を検知。衝突するおそれがある場合、音とメーター内の表示で警告し、注意を喚起。さらに接近した場合は軽いブレーキングを行い、衝突のおそれが高まった場合は強いブレーキングを行い、衝突回避・被害軽減を支援。
誤発進抑制機能
停車時や10km/h以下の低速走行時、前方の障害物を検知してドライバーがアクセルペダルを踏み込んだ場合の急加速を抑制。
歩行者事故低減ステアリング
歩行者側の車線を逸脱し、歩行者と衝突のおそれがある場合、音とメーター内の表示で警告。さらに車道方向へのステアリング操作を支援することでドライバーの回避操作を促します。
路外逸脱抑制機能
単眼カメラで車線(実線、破線)を検知し、メーター内の表示とステアリング振動の警告で注意を促すとともに、車線内へ戻るようにステアリング操作を支援。
それでも道路から大きく逸れそうな場合は、ステアリング操作の支援に加えて自動的にブレーキによる減速を行い、車線内へ戻るように支援。
ACC〈アダプティブ・クルーズ・コントロール〉
予め設定した速度で定速走行。前走車に近づいたら、ミリ波レーダーと単眼カメラが前走車との距離や速度差を測定し、自動的に加減速。適切な車間距離を維持しながら追従走行。
LKAS〈車線維持支援システム〉
高速道路を走行する際、車線の中央付近を維持するようにステアリング操作を支援し、ドライバーの運転負荷を軽減。
先行車発進お知らせ機能
停車時にミリ波レーダーが前走車の発進を検知。ドライバーがアクセルを踏まなかった場合、音とメーター内の表示で前走車の発進をお知らせします。
標識認識機能
道路標識をメーター内に表示して、標識への注意を促し、安全運転を支援。
後方誤発進抑制機能
停車時や10km/h以下の低速後退時、ほぼ真後ろの近距離にある障害物を検知してドライバーがアクセルペダルを踏み込んだ場合の、急な発進を抑制。
オートハイビーム
夜間など暗い道をロービームで走行中、単眼カメラで前方の状況を検知。街灯などがなくて暗い場合、見やすいように自動でハイビームに。前走車や対向車を検知すると、ロービームに切り替え。
ニッサン:インテリジェントエマージェンシーブレーキ ほか
インテリジェント エマージェンシーブレーキ
前方車両や歩行者※を検知し、衝突するおそれがあると判断すると音と表示でドライバーに回避操作を促します。さらに衝突の危険性が⾼まったときには、強いブレーキを作動させて衝突を回避、または衝突時の被害や傷害を軽減します。
踏み間違い衝突防止アシスト
進行方向に壁などがある場所での駐車操作中(約15km/h未満)、ブレーキ操作が遅れたり、アクセルペダルをブレーキペダルと間違えて踏み込んでしまった場合、警告すると共にエンジン出力やブレーキを制御し、過度の加速や衝突防止を支援。さらに前方カメラと連携したシステムでは、車両や歩行者の検知と、それらに対する作動車速を低速走行時(約25km/h以下)まで拡大。
LDW(車線逸脱警報)
意図せず走行車線を逸脱しそうな場合、表示と音で注意を喚起。車線逸脱の防止を支援。
ハイビームアシスト
前方検知用のカメラで、先行車や対向車のライト、道路周辺の明るさを検知し、ハイビームとロービームを自動で切り替え*4 。ハイビームでの走行頻度を高めて、歩行者の早期発見など安全運転をサポート。
スズキ:スズキセーフティサポート
安心して、楽しくスズキのクルマに乗っていただきたいという想いから生まれた「スズキ セーフティ サポート」。事故を未然に防ぎ、お客様の万一のときの安全を確保するために、運転をサポートする様々な技術で、ヒヤリとする場面も限りなくゼロに近づけていきます。
デュアルセンサーブレーキサポート
フロントガラスに設置した「デュアルセンサー」が、前方のクルマや人を検知。近距離や夜間の検知に優れたレーザーレーダーと、中・長距離に強く歩行者も認識する単眼カメラを組み合わせて、万一の危険を察知し、自動ブレーキなどで衝突回避をサポート
後退時ブレーキサポート
ヤバンパーに4つの超音波センサーを内蔵し、車両後方にある障害物を検知。透明なガラスなども検知でき、コンビニの駐車場などでの衝突回避をサポート
車線逸脱警報機能
走行中に左右の区画線を検知して進路を予測。前方不注意などで車線をはみ出しそうになると、ブザー音などの警報によってドライバーに注意を促します。
ふらつき警報機能
走行中に左右の区画線を検知して、自車の走行パターンを計測。車両が蛇行するなど、システムが「ふらつき」と判断した場合、ブザー音などの警報によってドライバーに注意を促します。
ハイビームアシスト
ヘッドランプをハイビームにして走行中、前方に対向車や先行車がいたり、明るい場所を走行すると自動でロービームに。対向車や先行車がいなくなったり、周囲が暗くなると自動でハイビームに戻ります。
標識認識機能[進入禁止]
走行中に進入禁止の標識を検知すると、ヘッドアップディスプレイに進入禁止マークを表示してドライバーにお知らせします。
先行車発進お知らせ機能
停車中、前のクルマが発進して約5m以上離れても停車し続けた場合、ブザー音や表示などによって、ドライバーに先行車の発進をお知らせします。
全方位モニター用カメラ
メーカーオプションの「全方位モニター用カメラパッケージ装着車」には、クルマの前後左右に4つのカメラを設置。別売の対応ナビゲーション(販売会社装着アクセサリー)を装着すれば、クルマを真上から見たような映像などを映し出す「全方位モニター」に。見通しの悪い場所で人などが近づいてくるとお知らせする「左右確認サポート機能」も前後に装備し、運転席から見えにくい周辺状況の確認をサポート。
ヘッドアップディスプレイ
運転に必要な情報をフロントガラスにカラーで映し出す、フロントガラス投影式のヘッドアップディスプレイ。車速やシフト位置、デュアルセンサーブレーキサポートの警告などが、視線の先に焦点を合わせやすいように表示され、メーターパネルを見なくても確認可能。ドライバーの視線移動や焦点の調節を減らし、安全運転に貢献します。
誤発進抑制機能
駐車場などで、前方に壁などがあるにも関わらずシフトをD・L(前進)の位置でアクセルペダルを強く踏み込むと、最長約5秒間、エンジン出力を自動的に抑制。急発進・急加速を抑えて、踏みまちがいなどによる衝突回避に貢献。
後方誤発進抑制機能
後方に障害物があるにも関わらずシフトをR(後退)位置の状態でアクセルペダルを強く踏み込むと、エンジン出力を自動的に抑制して急な後退を防止。うっかり誤操作による衝突回避に貢献します。

(→売れ筋の車種については【人気車種ランキングTOP10】の記事をご覧ください)
最後に
今や自動運転技術は、電気を動力源とする車(=EV/EC)の開発と共に、現代の自動車産業を牽引する一大テーマとなっています。
国によって急進派と慎重派に分かれている自動運転技術ですが、この先、自動車の「自動」という言葉の意味が『自分で動かす』から『自力で動く』へと変わっていくことに疑いはありません。
現に交通事故の原因について、実に9割近くをヒューマンエラー(=ドライバーの法令違反)が占めているという調査データが存在することもあり、機械化・自動化による事故の削減への期待は高まる一方です。
老化による判断能力の低下など、やむを得ない事情はもちろんのこと、日本では名古屋走りや大阪走りに代表される運転マナーの悪さといったヒューマンエラーも目立ちます。一度でも名古屋走りなるものを目にした人であれば、2018年時点で、愛知県の交通事故の死者数が15年連続全国最多を記録したことを不思議に思うことはないでしょう。
こうした実情を踏まえてみると、厳しい言い方になりますが、車の運転については、心ない人間よりも、心を持たない機械の方が優れていると言わざるを得ません。
強制的に危険な運転を抑制できる点でも自動運転は魅力的ですが、その実現に至るには、まだまだクリアすべき障害がいくつも存在しています。過日にも、海外で自動運転のテスト中に死亡事故が起きたことはメディアを大きく賑わせていました。
自動運転について人間と機械が折り合いをつけられる時代はまだ先のこと。遥か未来、アンドロイドが電気羊の夢を見る頃には、人間は走行中の運転席でゆっくり夢でも見ていることでしょう。